投稿者:23nagaoka 投稿日時:2012/2/20 21:06 題名:『池高新聞』より 池高の植物 トチノキ メッセージ:『池高新聞』第184号―1978(昭和53)年7月3日―より 「池高の植物9」 トチノキ  木曽の山を、渓流ぞいに歩いていると、卜チノキの林に出あうことがある。幹の直径が一mを超す大木もあり、林床には、常緑のシダが多い。  トチノキの林は、夏緑広葉樹林帯にある流水の周縁に発達する群落である。近畿では、標高八百m以上の山地にみられ、信州や東北のトチ林はことに美しい。  このような環境を好む卜チノキが、池高では標高二百m、乾燥する運動場の西端で、大きい掌状複葉の影を落している。樹高十m、胸高直径三一㎝。毎年五月に円錐状に花を咲かせ、秋にたくさんの実をつけている。  このトチの実は、デンプンが多く食用になるが苦い。細かく刻んで水にさらし、木炭を入れてゆでるなどして苦味を外かないと食べられたものではない。  パリの街路樹で有名なマロニエは、セイヨウトチノキの並木であるが、我国の卜チノキと区別はつけ難い。  東京にもトチノキの並木路がある。しかし、ヨーロッパより暖かいので、パリのマロニエ並木をまねるのは、気候的に無理である。 ----